project1 河川護岸における耐震設計

物件名:「平成27年 隅田川(尾竹橋上流)
右岸防潮堤耐震対策詳細設計」

【東京支社技術部】小松 真一朗

1プロジェクト概要

本業務は、東京都を流れる隅田川の対象区間における防潮堤のレベル2地震動に対する耐震性能照査、 および、対策工の立案や検討を行ったものでした。護岸耐震化は、将来にわたって考えられる最大級の地震が発生した場合においてもその機能を保持し 津波等による浸水を防止することを目的としています。耐震性能照査は、竣功図や現地調査より形状や損傷度を把握したうえでモデル化を行い、 荷重を静的に載荷した際の応答値が許容値を下回るかの照査でした。対策工としては、地盤改良による基礎の補強、 鉄筋による拘束によりせん断・曲げ補強を各部材毎に配置したものでした。

2苦労した点

関連事業の先行業務であったため、設計思想や解析手法の統一化を図る必要があり、 同時期設計の他社との先導役として業務を遂行する責任がありました。他社との隣接工区や共有する箇所においては技術者同士、お互いが納得するまで協議を重ねました。 解析業務は、打合せ資料が数値の羅列になりやすいため、概要図を用いて見やすく、判りやすい資料を作成するなどの当社なりの工夫が活かせたと思います。 当初は解析結果の傾向が掴めなく、多大な時間を要しましたが、検討を重ねる毎にその傾向が掴め、大凡の結果が把握できるようになったのは大きな収穫でした。

3業務への取組み姿勢

施工ができなければ設計ではない

工事用車両が搬入可能か、重機が設置可能か、迂回路が必要かなど時間をかけて現地調査を行い、 現場がどのようなに利用されているかを把握することがとても重要と感じています。
i-Constructionを進める意味においても設計段階での現場状況把握と施工計画への反映はこれからの時代に必要な技術力を感じています。

顧客ニーズにあった資料作成

話し手だけ判っても、相手に伝わらなければ意味が無い。 説明図や着色を行い、文字だけの資料とならないように取り組み、見やすい・判りやすい打合せ資料とし長時間の打合せでは集中力が無くなり良い結果とならず、 打合せの効率化を図るためにも必要不可欠と考えています。

照査実施

一つのミスが致命的とるため、計画段階や実施段階での方向性や図面・数量に間違いは無いか、 チェックシートを義務付け内部・外部の二重チェックの実施を行っています。

4高得点獲得に向けて

高得点を得るためには、社内の縦横のコミュニケーションを図り、一丸となって業務を成し遂げる姿勢こそが必要不可欠で、 それがチーム力であると考えています。技術力はもちろんのこと、工程管理や教育を継続し、さらなる上を目指して弛まぬ努力を続けて行きます。


東京支社技術部